こんばんは!
今回は、紀勢本線を走る特急「くろしお」号の乗車記となります。
「くろしお」は大阪から和歌山を経て更にその先、白浜・本州最南端の串本・マグロの街勝浦、そして新宮を結ぶ特急列車です。
「くろしお」に乗るのはちょうど1年ぶりです。
「くろしお」では、現在283系・287系・289系の3種類の車両が使用されていますが、今回はかつて「オーシャンアロー」として使用されていた283系の、パノラマグリーン車に乗車してきたので、ご紹介します。
283系は振り子式特急で、「オーシャンアロー」として速達便を中心に運用された、文字通り紀勢本線特急のエース。
「くろしお」よりワンランク上の列車でした。
しかし、速さが優先されない時代になり、また故障時の代用も大変なことから、2012年以降は「くろしお」として他の287系・289系と同じようにゆったりとしたダイヤで走っています。
昨年、283系のグリーン車には串本→新大阪まで乗車しましたが、今回は新大阪→串本・串本→紀伊勝浦まで逆向きの乗車をしました。
良ければ昨年の記事も合わせてご覧下さい!
★旅の始まり新大阪駅
今回の旅の始まりとなる新大阪駅にやってきました。
ここからくろしお5号に乗って串本へ向かいます。
最初の目的地、串本までは3時間27分の長旅。
終点・新宮までは4時間35分と、JRでも有数のロングラン特急です。
今回乗車するのはくろしお5号。
くろしお5号の停車駅は
新大阪9:28-大阪-天王寺-日根野-和歌山-海南-御坊-紀伊田辺-白浜-周参見-串本12:55-古座-太地-紀伊勝浦-新宮13:53
です。
なお、このくろしお5号はコロナ禍の減便期間を経て、現在では金・土・日を中心とした臨時列車となっていますので、ご注意下さい⚠
電光掲示板には、私が乗るくろしお5号の1本前のくろしお3号の表示がありました。
くろしお3号は途中の白浜止まりです。
下にはサンダーバード敦賀行の表示も。
北陸新幹線敦賀延伸に伴いサンダーバードも敦賀までに短縮、ちょっと寂しいですね。
さて、ホームに降りてきました。くろしおは基本2番線の発車です。
2番線ホームに売店があるかと思いきや、売店はなく。
予めコンコースの売店で買っておく必要があります。
長距離の乗車になるので、事前の食料&飲料調達は必須です◎
ややこしいのですが、途中の日根野まで同じ線路を走っていく行く関空特急はるかは3番線の発車。
「3番線なら、ここに書かなくても良くない?」
と思ってしまうのですが、私だけですかね(^_^;
予定通り3番線にはるかが到着しました。
ハローキティラッピングがされているので華やかではあるのですが、281系もそれなりに車齢がきてる車両でもあります。
続いて、向かいの1番線には白浜6:39発のくろしお8号が到着しました。
こちらは287系の運用です。287系も乗ったことがないのでまたいつか。
そして9時24分、発車の4分前に私が乗る283系オーシャンアロー編成のくろしお5号が到着です。
このイルカをモチーフにしたデザインは未だに色あせないですね。カッコいい!
去年は逆向き、このパノラマグリーンが最後尾だったのですが、やはり先頭に来るとカッコ良いですね。
発車まで5分を切っているので、のんびりしている時間はありません。
側面の表記はもちろん「くろしお」「新宮」です。
そして側面には「OCEAN ARROW」の文字が。
かつて紀勢本線のエースとして爆走していた頃が思い出されます。
今は「くろしお」を名乗っていますが、最期の日は「オーシャンアロー」の名前でぶっ飛ばして欲しいな・・・と思っています。
イルカのロゴもかっこいい。
283系のグリーン車は1列+2列の3列でかなりゆったりとしています。
後に出てくる写真で確認してもらえればわかりやすいですが、左右のバランスを取るために車両中央で1列+2列の配置が逆に変わります。
この眺めは、まさにパノラマグリーンの特権ですね✨
先頭の1番席は取れなかったのですが、2列目の2番D席を今回は取れました○
グリーン車の座席はかなりガッチリしてます。
コンセントは283系には全くありません。ここが287系・289系との違いですね。
新大阪駅を定刻に発車しました。
グリーン車は40%程度の乗車率でしょうか?
次の大阪駅には5分足らずであっという間に到着です。
大阪駅うめきた地下ホームに到着、近未来感があります。笑
2023年3月のダイヤ改正で、くろしおも新たに大阪駅に停車するようになりました。
大阪駅を出たところで、朝食兼昼食の
「あなご寿司(1,800円)」を食べます。
駅弁の品揃えが素晴らしい新大阪駅の売店で、目にとまったのがこれでした。
「あなご寿司」は言わずと知れた姫路の名物。
今回の旅とは全く関係ないですが、こんな高級な弁当が食べられるのも旅行ならでは。
旅に出るとお財布の紐が緩むのは皆一緒なはず。気にせずにいきましょう!!
あなご寿司は8両編成での運転でした。
4号車がグリーン車ですかね。
断面を見てみると、シャリと穴子の間に貝の佃煮が入っていてこれが良いアクセントになっていました💮
お腹もいっぱいになったところで、トイレへ。
1両目後方にあるトイレは女性専用でした。
特急車両で男女別のトイレって珍しい気もしますが、他もそうでしたっけ??
2号車・3号車、こちらは普通車ですが平日にも関わらず、観光目的っぽい乗客で70%程度埋まっていました。
白浜より先まで行く貴重な列車ですので、やはり需要は高いのでしょうか??
日根野で関西空港線と分岐し、阪和線をどんどん進んでいきます。
和歌山駅に定刻に到着しました。
ところが全然発車せず、運転席もなんだか騒がしい雰囲気。
車両さんからは
「車内点検をしておりますので、しばらくお待ちください」
とアナウンス。
最近故障が相次いでいる?とも聞く283系、まさか故障発生??
と不安でいっぱいでしたが、問題は解消されたようで7分遅れで和歌山駅を発車。
次に急ぎの予定もないので、283系を7分多く楽しめると言うことで前向きに捉えましょう。
★展望ラウンジに行くべき!
さて、3両目と4両目の間にある展望ラウンジへ向かいます。
これが283系の大きな魅力の1つであることは間違いありません。
もちろん利用するにあたり料金はかからず、誰でも自由に利用することが出来ます。
皆、席を離れるのが面倒なのか、そもそも存在を知らないのか。
10分ほど滞在しましたが誰も来ることなく、貸切で使わせてもらいました。
進行方向右側に広がるのは海!この景色は最高ですね!
御坊からは海が見える区間が多くなります。
トンネルに入るとこんな感じです。
足下の部分も窓になっているので、普通の座席とはまた違った開放感を味わえます。
静止画で見ていると、電車の中とは思えない雰囲気ですね。
こりゃ利用しない手はありません。
長時間乗車の気分転換にも超おすすめです!
★本州最南端・串本へ
再びグリーン車に戻ってきました。
先程車両の中央部で座席の配置が変わる、と話をしましたがこの写真で伝わりますでしょうか?
和歌山駅での車内点検で遅れていたくろしお5号ですが、気がついたらほぼ定刻での運行に戻っていました。
途中の白浜で長時間停車するくろしおもありますが、くろしお5号は3分の停車と短め。
白浜で巻き返すのは難しかったと思いますが、今はそれだけ余裕があるダイヤを組んでいるということでしょうか。
ほんと3時間半なんてあっという間で、まもなく串本です。
森の中、トンネルの中を駆け抜ける。
さあ!本州最南端・潮岬のある串本へ到着です。
串本駅に到着、結局定刻の1分遅れまで遅れは回復しました。
串本ではそれなりの降車があり。
エレベーターがないことを嘆いているお客さんもおりました(^_^;
終点・新宮まで残り1時間頑張れ・・・!!
先程紹介した展望ラウンジは外から見るとこんな感じです。
今こういう特急ってないですよね~
13:05の普通列車・新宮行きに10分で接続しており乗り換えることも可能です○
今回は串本駅で1回下車して観光をします。
★くろしおは全車指定席
串本観光を済ませて2時間半後、15:30に再び串本駅に戻ってきました。
ここからは串本15:40発のくろしお11号に乗り換えて、紀伊勝浦へ向かいます。
くろしお11号の停車駅は
串本15:40-古座-太地-紀伊勝浦16:16-新宮16:40
となっています。
ちなみにここまで書きませんでしたが、くろしおは現在全車指定席での運行。
乗車券は既に購入済みでしたが、指定席特急券はこれから。
駅の指定席券売機で購入しようと思ったら、前の方が機械の操作に随分と手こずっておりピンチ。
串本駅の指定席券売機は1台のみです。
これを逃せば次は1時間後(16:35)の普通列車。
串本駅は有人改札なので、特急券は車内で・・・というのも無理(そもそもダメか)。
なんとかギリギリ購入できましたが、全車指定席ってこういう部分でも面倒だなと痛感しました。
利用客が少ない白浜~新宮は全車指定席にする必要も無いと思いますが、果たして。
ホームへ行くと、くろしお11号は定刻通り到着。
そう、このくろしお11号も283系の運用なのです。最高!!
本日2回目の283系です。
今回は短距離での移動ということもあり、2号車の指定席に乗車しました。
気になる乗車率は15~20%くらいでガラガラ。
ほんと、これで全車指定席かよ~と悲しくなりました。
ただ、普通車にはグリーン車にはなかったドリンクホルダーがあって感動しました✨
グリーン車よりは当然狭いですが、普通車も良いですね。
串本~古座~太地の区間は、太平洋の景色が素晴らしいです。
乗るなら絶対に進行方向右側(D席)一択ですね。
★津波への備えも
さて、くろしおの走る区間の大半は南海トラフによる津波の大きな被害が想定される区間です。
車内にはいざという時には車内からはしごをつかって電車から降りるよう、案内があります。
このパンダの絵がなんともシュールでかわいい?です。
南海トラフも津波も一生来なければ良いと思いますが、もしかしたら明日・・・
と言う可能性もある以上、やはり備えは大切ですね。
さて、そうこうしているとクジラの街・太地に到着しました。
きのくに線内は交換可能駅もそれなりにあるのですが、ここ太地は1面1線のこじんまりとした駅です。
昨年はこの太地で美味しいクジラ料理をいただきました。
その時の記事も良ければご覧下さい!↓↓
太地も好きな街なのですが、今回はこのまま通過していきます。
ここでおやつのご紹介。
おやつは串本の道の駅「道の駅くしもと橋杭岩」で買った「さんま寿司」です。
さんま寿司も堂々の8両編成、こちらはあなご寿司の約1/3の価格です。
あと2パックはいけるくらい美味しかったです。
あなごよりサッパリしていて良かったかもしれません。
★速さを忘れたくろしお
くろしお11号はのんび~りきのくに線を西に進んでいきます。
それもそのはず・・・この後続の普通列車と所要時間を比較してみると
串本15:40~くろしお11号~新宮16:40 所要時間1:00
串本16:35~ 普通列車 ~新宮17:40 所要時間1:05
これは結構酷くないですか??笑
この5分のために1,000円以上の指定席特急券が必要ですからね、まいった。
せめて自由席で良いと思うのですが・・・(しつこい)
くろしお号は福知山線の事故や需要の変化から25年ほど前と比較して大幅なスピードダウンをしています。
比べてみると・・・
1997年 オーシャンアロー17号 新大阪~新宮 所要時間3:35
2024年 くろしお11号 新大阪~新宮 所要時間4:27
25年の時を経て所要時間は50分も長くなりました。
1997年のオーシャンアローは振り子全盛期で、とにかく速さを追求していた時代。
この串本~新宮間も40分で走破していたことから、今との違いが分かると思います。
最高速や振り子うんぬんだけでなく、白浜~新宮間のくろしおは以前より減便がかなり進み、停車駅もかなり増えているので仕方が無い部分もありますが、なんとも寂しいですね。
しかし、白浜~新宮の95.2kmを2時間・串本~新宮の41.6kmを1時間ってのは遅すぎです。
表定速度40km台ですからね(T_T)
★マグロの街・紀伊勝浦へ
と、大分脱線した上に口が続いてしまいましたが、列車はまもなくマグロの街・紀伊勝浦に到着です。
町名は那智勝浦町ですが、駅名は紀伊勝浦となっています。
紀伊勝浦では外国人の多さが目立ちました。
この辺りは温泉もある比較的大規模な宿泊施設もあるので、泊まるには良いですね。
私も実際、この日は勝浦で1泊しました😴
さあ新宮まで残り23分、頑張れ!!
ということで今回の283系「くろしお」の旅はここで終了です。
★現在の283系の運用は?
2024年3月のダイヤ改正で下記のくろしお号が283系の運用となりました。
【新大阪→白浜・新宮】
くろしお5号 新大阪9:28→新宮13:53(臨時)
くろしお11号 新大阪12:13→新宮16:40
くろしお29号 新大阪20:13→白浜22:54
くろしお35号 新大阪22:47→和歌山23:58
【白浜・新宮→新大阪】
くろしお2号 和歌山5:14→新大阪6:21
くろしお14号 白浜9:20→新大阪11:51
くろしお30号 新宮15:04→新大阪19:21(臨時)
くろしお36号 新宮17:46→新大阪22:08
このダイヤは固定であるため、毎日この列車に運用が入っています。
また時刻表には「オーシャンアロー編成で運転」と表記があるので、見つけることも容易でしょう。
昨年の段階では、白浜より先の新宮まで行くくろしおには1往復しか運用が入らず、しかもそれが新大阪発15時過ぎというなんとも観光向けとは言いがたいダイヤでした。
くろしお5号・30号が臨時とはいえ、大阪→白浜以東へ長旅を楽しみたい方にはかなり283系に乗りやすい・乗り通しやすいダイヤになったと思います。
やはりパノラマグリーンが先頭で走る、白浜・新宮方面の運用を強化して欲しいと思っていたので、今回の改正は素晴らしいと思いました。ありがとうJR西日本!
283系も引退が近づいていると言われていますが、こういうのは「乗れるうちに乗る」が鉄則だと思いますので、皆さんも是非283系「くろしお」の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきましてありがとうございました!