こんばんは!
先日、紀勢本線(きのくに線)を走る特急「くろしお16号」に乗ってきました。
「くろしお」は大阪から和歌山を経て更にその先紀伊半島の南部、南紀白浜や本州最南端の串本、そして和歌山県の新宮を結ぶ特急列車です。
「くろしお」では現在283系・287系・289系と3種類の車両が運用に入っていますが、今回はかつては特急「オーシャンアロー」として使用されていた283系のパノラマグリーン車に乗車してきましたので、ご紹介します😀
「くろしお16号」は新宮駅→新大阪駅の運転ですが、今回は途中の串本駅から新大阪駅まで乗車しました。
新大阪までは3時間28分の長旅となります🚈
- ★283系/オーシャンアロー編成について
- ★旅の始まり串本駅
- ★これが283系のパノラマグリーン車!
- ★展望ラウンジへ行ってみよう!
- ★津波に備えて
- ★パンダの街、白浜に到着
- ★車窓をまだまだご紹介!
- ★終点・新大阪に到着
- ★283系の今後について
★283系/オーシャンアロー編成について
ここで今回乗車する283系について超簡単に説明します。
紀勢本線特急「くろしお」の優等列車として1996年より「スーパーくろしお」、1997年から特急「オーシャンアロー」の名前で運転を開始。
先代の381系と同様振り子式を採用しておりますが、制御付き振り子装置を搭載したJR西日本最初の特急型車両でもあります。
そしてなんといってもイルカをモチーフとした流線型のデザインが大きな特徴です。
2012年からは紀勢本線の特急は「くろしお」に統一されることとなり、「オーシャンアロー」の名前は消滅。
現在は「くろしお」号として
・和歌山/海南~新大阪 1往復
・白浜~新大阪 2往復
・新宮~新大阪 1往復
計4往復の運用に就いています。
運用は少ないのですが、そもそも283系は基本編成6両✕2・付属編成3両✕2の18両しか製造されていないのでこれが限界です。
名前は統一されているものの283系が使用されている「くろしお」は時刻表には「オーシャンアロー編成で運転」と記載されており毎日決まった運用に就いているため、乗車すること自体は難しくありません。
★旅の始まり串本駅
今回の旅の始まりは紀伊半島の最南端、和歌山県・串本駅です。
串本駅は本州最南端の駅でもあります。
きのくに線の本数は多くなく普通列車は2時間に1本程度、特急「くろしお」も上下各6本のみと本数は少ないです。
今回購入したきっぷがこちら!
新大阪までは3時間28分の旅となります。
定刻通りに新宮方面から「くろしお16号」が入線してきました。
非貫通顔・6号車を先頭に入線です。
私が今回乗るのは1号車のパノラマグリーン車、最後尾となります。
★これが283系のパノラマグリーン車!
*一部の写真は串本駅発車後ではなく、後で撮った物ですのでご了承ください○
283系のグリーン車は1+2の3列シートでかなりゆったり目の配置となっています。
やっぱり3列グリーンは快適ですね~✨
シートの間隔も普通車970mmに対し、グリーン車1,160mmと余裕があります。
さすがに25年以上経っている車両ということで年期は感じます。
私が今回座る「1D」はパノラマグリーン車の1番窓に近い1人掛けの座席。
逆方向新宮行きだと先頭となりますが、新大阪行きなので最後尾となります。
先頭であればプラチナチケットかもしれませんが、何しろ最後尾なので乗車1週間前でも余裕で切符が取れました○
グリーン車の座席配置は車両の中程で1+2が入れ替わる形となっています。
これは振り子式採用に伴い、左右の重量バランスを同じくらいにするための仕組みです。
串本駅発車後の乗車率は20%程度、海の近くを走るきのくに線ですが山の中をガンガンと進んでいきます。
串本~白浜間はトンネルも多いのですが、間接照明が良い感じですよね👍
照明の配置も座席に合わせて途中から変わっています。
読書灯もあります。
テーブルは手すり部分に収納されているタイプの物です。
こういう収納テーブルってちょっと使いにくいですよね😅
★展望ラウンジへ行ってみよう!
283系の特徴の1つが展望ラウンジ。
3号車の4号車寄りのスペースに展望ラウンジが設置されています。
JR西日本のこの283系に対する本気度が感じられますね。
座席は全て海側を向いており、独立した座席4席とソファーが設置されています。
ソファーの方は1段高い位置に配置されています。
この時10分ほどデッキにいたのですが、誰も来ず貸切状態でした👏
展望ラウンジと言うだけあってかなり眺望は良いです。
足下の窓も開放感を感じさせます。
なかなか今こういう特急車両は無いのではないでしょうか?
この展望ラウンジがあるため3号車の4号車寄りには乗降用のドアが設置されていません。
利便性を重視する現在ではなかなかドアを潰してまでこういうデッキは設置しないんだろうなあ~と思ってしまいます。
しかもこんなガラガラでは....笑
★津波に備えて
きのくに線は海のすぐ近くを走る路線、南海地震をはじめとする将来的な大地震が想定されている地域でもあり、避難用のはしごも目立つように装備されていました。
はしごを使用せざるを得ない事態が起きないことを祈るばかりです。
それにしてもパンダの絵がなんかシュールで面白かったです(^_^;
避難中に怪我をしては元も子もありません。
★パンダの街、白浜に到着
串本を出発して約50分、きのくに線の重要な拠点でもありリゾート地でもある白浜に到着。
白浜では7分間の運転停車を行います。
車内アナウンスでは駅構内の売店の案内もされており、バスの休憩みたいな感じの停車でした。
白浜と言えばアドベンチャーワールド、アドベンチャーワールドと言えばパンダでしょう。
駅でもかわいいパンダがたくさん迎えてくれました😀
7分と割と時間があるのでゆっくりと撮影を楽しむことも出来ました。
流線型が美しい。
先頭6号車まで6両分歩いてしまった......
多客期にはこちらに付属3両を連結し、白浜から9両編成で新大阪へ向かうこともあるようです。
発車も間近になったところで車内に戻ります。
白浜からは運転本数が一気に増え、1時間に1本程度の「くろしお」が運転されています。
白浜~新大阪の需要って結構あるんだな~という感じです。
★車窓をまだまだご紹介!
283系のパノラマグリーン車の眺望をご紹介していきます。
繰り返しの説明ですが新大阪行きではパノラマグリーン車は最後尾、後ろ向きの景色です。
串本から紀伊田辺までは単線ですが、紀伊田辺からは複線となります。
このアングルで景色が楽しめるのはやはり凄いですね◎
座席の窓からもこの景色。
快晴とは言えませんが、晴れてきて良かった~\(^o^)/
和歌山県をどんどん北に進み、海南駅に到着。
ここまでくると景色はすっかり変わり街の景色になってきました。
和歌山までは最高速度110km。
和歌山から先、阪和線に入ると最高速度は120kmとなり線形も良いため特急らしい走りを披露してくれます。
乗っていて分かったのですが、和歌山~大阪の利用も結構多いのだなと感じました。
もっと近いと思っていたのですが、1時間もかかるんですね😅
天王寺からは大阪環状線に入り都心部を進みます。
新しくできた大阪駅地下ホームに停車し、終点の新大阪駅に到着します。
★終点・新大阪に到着
12時51分、定刻通りに新大阪駅に到着しました。
283系はやはり人気の車両らしく、到着後も多くのお客さんが写真撮影を楽しんでいました。
こうやって見ると本当にイルカに見えてきますね👀
到着したくろしお16号は、折り返し13:13発のくろしお13号・白浜行きとなります。
白浜もカッコいいのですが、個人的にはやっぱりくろしおは「新宮行き」がカッコいいですね。
ところで車体側面の白い楕円マークですが.....
「OCEAN ARROW」の文字が書かれているはずなのですが、登場から既に27年。
すっかり消えてしまい、近くでよ~く見ないとわからないレベルでした。
ほとんど見えない....
★283系の今後について
現在「くろしお」ではこの283系・287系・289系の3系統が活躍中です。
・283系は1996年運行開始で27年経過
・287系は2011-12年運行開始で11-12年経過
・289系は2002-05年運行開始で18-21年経過(*但し683系からの転用)
となっており、デビュー当時は最新鋭だった283系も今や1番古い車両となってしまいました。
287系はまだ登場から10年程度と新しく、289系も2016年にグリーン車の1両→1両の半分への改造工事やグリーン車へのコンセント設置が行われたことからまだまだ活躍するでしょう。
283系のパノラマグリーンと並ぶ特徴の1つである「振り子装置」、これは先代くろしおの381系から継承されるものですが287・289系には搭載されていません。
これはJR西日本が速達性ではなく安全性をより重視するようになったこと、故障も多く振り子装置搭載車両には維持・管理コストもかかること、平行する高速道路が整備されたことで速達性を重視する必要が従来よりなくなったこと、などなど様々な要因が絡んでいます(多分)。
要はコストをかけてまで「振り子装置」を搭載する必要がなくなったと言うことなのでしょう。
そして車両運用の観点から、振り子装置非搭載の287/289系が多く走る以上、283系もスピードダウンせざるを得ない状況になりました。(283系に合わせたダイヤ設定だと、故障・検査等の代走の際に287/289系では同じダイヤで走ることが難しいため)
「くろしお」の所要時間は、このくろしお16号で天王寺~新宮間で3時間57分ですが、かつては3時間20分前後で結んでいたため、大幅に遅くなっています。
全盛期には京都~新宮間を約4時間で結ぶ列車も設定されていたようです。(こちらも現在では4時間46分もかかります😅)
求められる物がスピードから快適性や効率性に変わり、老朽化も進行。スピードスターとして登場し長らく活躍してきた283系の役目が終わる時が近くなっていることは間違いありません。
北陸新幹線敦賀延伸でサンダーバード用の車両(683系)が大幅に余剰となることから、289系のように「くろしお」に転用し、283系とバトンタッチ....という日も近いかもしれません。
早ければ2024年度中、つまり来年度中には置き換えられるとも言われています。
老朽化が進んでいるとは言え、283系はデザインは古さを全く感じさせず、水色の美しい塗装は海沿いを走る「くろしお」に一番似合っていると思います。
ただ「オーシャンアロー」という名前の方が好きですけどね✨
カッコよくどこか“特別感”を感じる個人的にも大好きな車両、最後の日まで紀勢本線を元気に走り抜いて欲しいですね。
運用が限られていますが、是非283系が使用される「くろしお」を狙ってみて、紀勢本線の旅を楽しむのはいかがでしょうか?
もちろん座席は海側(C席・D席)をおすすめします😀
最後までご覧頂きましてありがとうございました!
★JR西日本「くろしお」号の紹介HPはこちら!